どうぶつ科学コミュニケーター通信

Pochitto(ぽちっト)神戸 | 

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更新:2020.3.23

第7回---新型ウイルス流行と動物のこと。

みなさん、こんにちは!ぶっちーです。新型コロナウイルスが世界中で流行しています(3月初旬執筆)。

このような新興感染症は、ウイルス以外に細菌や菌類なども原因となり、動物にも起こります。動物のウイルス新興感染症をまとめた表を見ると、それまでイヌ科かその近縁の動物にしか感染しないとされたウイルスによって、1994年にネコ科のライオンが大量死しています。

原因は突然変異でライオンにも感染可能になったためとされています。重要なのは、変異ウイルスにとっても新しい宿主の体は未知の新環境ということです。新環境に慣れていないウイルスは、宿主の免疫的攻撃に対抗してあらゆる防御手段に出ます。結果的に攻防が激化、激しい症状となるそうです。

私たちも、慣れない環境では心身が疲れるほど頑張ってしまいます。ウイルスも同じです。ただし、長い時間と世代交代を経て、感染しても重篤化しないなど折り合いをつけてゆくこともあります。ところが、現代では人間活動によってヒトや物とともに新しい病も大量に素早く地球上を移動してしまいそんな暇はないようです。

かつて私もアフリカの類人猿ボノボの新興感染症調査同行や、動物園で両生類の新興感染症を検疫しました。ボノボはヒトでは大したことのないヒトの風邪ウイルスで死亡していました。

両生類も人間活動によって運ばれた、外来の菌類によって世界中で数が激減しました。他にもヒトの活動が原因なのにヒト知れず動物の新興感染症はたくさん起きていると想像されます。我々の活動の在り方を早急に問われている気がしてなりません。

※新興感染症 :新たにヒトや動物の集団内に出現した感染症、または以前から存在していたものの急激にその発生が増加もしくは広い地域に拡がってきた感染症のこと。

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感染症調査同行で出会ったボノボ。地元住民も使う森でヒトからの感染が起きている。

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新興感染症カエルツボカビ症に感染したカエル。

どうぶつ科学コミュニケーター / 大渕 希郷(おおぶちまさと)

上野動物園・飼育展示スタッフ、日本科学未来館・科学コミュニケーター、京都大学野生動物研究センター・特定助教を経て、現在フリーランス活動中。
動物から植物、昆虫、微生物まで様々な生きものを用いた科学教室をご要望に合わせて企画いたします。その他、ペットボトルを用いた顕微鏡作り、偏光板を使ったサイエンスアート教室など工作教室や、各種講話、科学コミュニケーション研修、展示デザインなども承ります。

詳しくは下記まで。
お問い合わせ/担当:重光陽子Eメール:shigemitsu.yoko@gmail.com

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