どうぶつ科学コミュニケーター通信

Pochitto(ぽちっト)神戸 | 

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更新:2020.9.23

第10回---イネの妻、イネの魚

お米大好き、ぶっちーです!8月に田んぼで自然観察会を開催したとき、蚊が少ないと驚いている方がいました。確かに田んぼよりも、街中の公園や庭の方がよっぽど蚊がいるように感じます。田んぼにはカエル、トンボ、メダカなどいろんな生き物がいますから、蚊だけが異様に増えることはないのです。特にメダカは学名がOryzias latipes(※)。Oryziasは「イネの」、latipesは「ヒレの広い」を意味し、「イネの周りにいるヒレの広い(魚)」と言った意味になります。

このメダカもボウフラをよく食べてくれるわけです。蚊も含めていろんな生き物がいれば、複雑に影響し合ってどれか1種類だけが台頭するということはほぼありません。これが自然界では重要で、自然との調和が取れた田んぼにも生き物が何種類もいるはずです。

また、生物は環境と共にあり、イネも例外ではありません。昔から「雷の多い年は豊作になる」と言われ、雷光を稲妻とも言います。それは雷がイネを妊娠させると思われていたからです。古くは、男女ともに夫婦などはお互いを?つま"と呼んだため、稲夫(いなづま)が稲妻になったようです。

これは迷信でないこともわかってきました。栽培中のカイワレに放電を行ったところ、放電によって空気中の窒素が水に溶け込み、発育がよくなるという研究結果が出たのです。

きっと自然界は、いろんな生き物、いろんな環境・自然現象がお互い影響し合って初めてバランスが取れるのでしょう。

※現在、日本のメダカはメダカOryzias latipes1種から、キタノメダカOryzias sakaizumiiとミナミメダカOryzias latipesに分けられています。

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①8月初旬、田んぼでの自然観察会。

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②自宅カメ池のヒメダカ(メダカの品種)はボウフラもよく食べます。繁殖して、写真のように白っぽいものやマダラ模様の突然変異も生まれました。

どうぶつ科学コミュニケーター / 大渕 希郷(おおぶちまさと)

上野動物園・飼育展示スタッフ、日本科学未来館・科学コミュニケーター、京都大学野生動物研究センター・特定助教を経て、現在フリーランス活動中。
動物から植物、昆虫、微生物まで様々な生きものを用いた科学教室をご要望に合わせて企画いたします。その他、ペットボトルを用いた顕微鏡作り、偏光板を使ったサイエンスアート教室など工作教室や、各種講話、科学コミュニケーション研修、展示デザインなども承ります。

詳しくは下記まで。
お問い合わせ/担当:重光陽子Eメール:shigemitsu.yoko@gmail.com

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第10回

イネの妻、イネの魚

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