認知症と難聴

コロナ禍でマスクを着けパーテーション越しに話すことが当たり前の生活になり、気になるようになってきたのが「聴こえ」の問題です。

漢方では「腎は耳に開竅する」と言われていて、腎がしっかりしていれば、音を良く聴き分ける事ができます。しかし腎が加齢と共に衰えると難聴などの症状が現れます。

聴覚には「廃用性」という性質があり、最適な状態で聴こえていないと両耳に聴覚刺激が入って来ず、そのままにしていると、音を処理する聴覚機能そのものが徐々に失われていきます。また、聴覚の低下により周囲からの情報量が絶対的に減少します。他人の言っていることがよく聞き取れない、会話がうまく成立しない、という経験を繰り返し、周囲との関りを避けるようになり、社会との交流が減ると精神的健康にも影響を与えますし、認知機能の低下をもたらすこともあります。

少しでも聴こえ方に違和感を感じたら漢方的養生※で「腎」の働きを補いつつ、早い段階で補聴器を使って脳に聴覚刺激を送ることを考えましょう。

※腎を補う食材：シナモン、くるみ、黒ゴマ、羊肉、牛肉、松の実などを摂るようにしましょう。また、体は決して冷やさず規則正しく生活し疲れすぎないようにしましょう。

五葉薬局 代表 古川太津子