Pochitto(ぽちっト)神戸 | チャイルドケモハウス
更新:2020.1.23
第9回---チャイルドケモハウス
【ほん・わか】
長期間入院していた小児がんの子どもが元気に退院するとき、感慨深いものがあります。医師や看護師にとって、働いていて良かったと思える貴重な時間です。親御さん、子どもたちのお礼の言葉は、身体に心地よく沁みこんでいきます。
お手紙をくれる子どもたちも、たくさんいます。医師や看護師は、お礼の言葉をいただけることが多いのですが、縁の下の力持ちで、病棟を支えてくれている方がたくさんいます。院内学級の先生、保育士、ソーシャルワーカー、清掃作業をしてくださる方々、薬剤師、検査技師、放射線技師、売店のおばちゃん、医療事務などなど。
以前、「いつもきれいなシーツをありがとうございました」と、退院の風景を遠くで見守っていた看護助手さんに声をかけてくださったお母さんがいました。突然たくさんの視線を浴びた看護助手さんは、照れ笑い。大勢の医療者は、それを見て大爆笑。
数年前、大学病院で働いていたとき、「わたし今日で定年退職なんです。お世話になりました。先生、頑張ってくださいね」と、声をかけてくださった看護助手さんがいらっしゃいました。
何年間も一緒の病棟で働かせてもらっていたのですが、一度も話をしたことはありませんでした。もちろん顔は知っていました。当時の私は、看護助手さんとコミュニケーションをとる余裕がありませんでした。
あの時、本当にうれしかったです。
どんな仕事も厳しく辛いことが多いと思いますが、それでも続けられるかどうかは、このような少しのアクセントが、いくつあるかで決まるような気がします。。
「がんになっても笑顔で育つ」をスローガンに活動をしている
チャイルド・ケモ・クリニック院長 楠木重範
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